割り切れなさは、否定せず対処することが一つの手段
小さな成功体験の積み重ねで自己効力感を高める
はじめに:仕事と勉強の責任の両立

「仕事」と「仕事に必要ない勉強」を両立するのは、想像より難しかったです。
「仕事は仕事、勉強は勉強」と頭では分かっていても、
その境界は目に見えず、にじんでしまっている気がしてしまいます。
──仕事中にふと国試のことが頭をよぎる。
──勉強している最中に、仕事の責任が脳裏にちらつく。
そのたびに、自分の軸がブレました。
仕事に関係がない資格の勉強だから、
どちらも中途半端に感じて心がすり減っていく──
ゴロ助の不合格経験談

私自身、「自分は社会人での国試挑戦に向いていない」と痛感した最大の理由が、
仕事と国試をきちんと割り切れなかったことでした。
当時は「仕事が最優先。自由時間だけを使って国試を目指す」と決めて実行していました。
けれど、仕事でトラブルが起きたとき、
もしかして、国試に挑戦している自分の甘えが、
無意識に仕事に影響しているのでは…?
と自責の念に囚われ、仕事への集中力や責任感にも迷いが生じました。
最終的には、
「100パーセントの力で仕事の責任を果たせているのか」──
そんな風に思い込んでしまい、受験自体を一度やめる決断をすることになりました。
対策案

あのとき割り切れなかった私ですが、人に相談しながら方法を模索して、
今は働きながら自分が取りたい資格の学習をすることができています。
次の5つの対策案が、割り切れない気持ちを無理に否定せず、
折り合いをつけるヒントになるかもしれません。
① 「思考のラベリング」で割り切る
人や物事に対して、根拠なく判断し、思い込んだり決めつけたりすることを、
ラベリング効果というそうです。
ネガティブなラベリング効果には、ポジティブなラベリング効果が有効です。
例えば──
国試を勉強している自分は、仕事に本気じゃないかも
こんなの考えが湧いたとき、
すぐに信じ込むのではなく、
これは“自責モード”の思考だな
とラベリングして受け流す訓練が効果的です。
事実と感情を切り分けて、
不要な自己攻撃を減らし、心の負担を軽くできます。
② 「できたこと」を積み上げる
「自分には達成できる」という自己効力感が助けてくれることがあります。
そのためには、小さな成功体験を積み重ねることが有効です。
- 仕事で小さな成果をあげる
- 1日30分だけでも勉強を継続する
- 予定通りに出勤できたことを自分で認める
仕事と勉強の両方において些細な達成を意識的に積み重ねることで、
「自分は両立できる」という自己イメージを育てることができます。
③ 「これはこれ」と線を引く
感情を切り分けて管理できる練習も一つの手段となります。
具体的には、
- 仕事中に勉強のことを考えたら、「今は仕事の時間」と意図的に意識を戻す
- 勉強中に仕事の心配が出てきたら、「後で考える」とメモだけして手放す
こうして「今やるべきことに集中する力」を育てると、
両立のストレスがぐっと減っていきます。
④仕事の責任が軽いうちに国試を突破してしまう
年度が上がれば上がるほど、仕事の責任は増していきます。
また、自分のやりたいことも見つかって、
異動のために努力する時間も必要になることもあります。
仕事と勉強が割り切りやすいうちに国試を突破してしまいましょう。
ガッと集中した短期決戦がおすすめです。
⑤挑戦のタイミングを変える
もし、どちらも中途半端で消耗してしまうようなら、
一度立ち止まって、挑戦のタイミングを見直すことも必要かもしれません。
続けることだけが良いとは限りません。
「諦める」のではなく、「仕切り直す」という選択も、
自分を守るための大切な判断です。
まとめ
完璧に「仕事」と「勉強」を割り切ることは難しいです。
大切なのは、「無理に追い込む」のではなく、「抱えながらも一歩ずつ進む」こと。
社会人受験を諦めてしまった私が思う、「社会人受験の最大のカギ」は、
「今の自分にできるやり方」で挑戦を続けていくことです。