「薬剤師国家試験 勉強方法」
「薬剤師国家試験 何月から」
「薬剤師国家試験 過去問 何周 何年」
いったんまず、先輩たちがどんな風に合格していったか、非常に気になりますよね。
同級生からの経験談、就職してで出会った他校の経験談、検索魔として収集したネットの情報・・・
長年の調査実績から、勉強方法をまとめました。
分析麻痺(過度な分析・情報収集で意思決定ができなくなる状態)にならないように気を付けてください!
はじめの一歩

まずは、待ち受ける戦い相手を把握しましょう。
例えば、こちらで情報が得られます。
「当日の詳細」や「自分が到達すべき地点」について、など一番初めに認識しておくと、先が見えていきます。
当サイトでも、上記の情報を参考に絶対に知っておくべき基本情報をまとめています。
使用する教材

自分に合った教材を使用すること、使用教材は絞ることもポイント!
いろいろ手を出して、やっている感に騙されないようにしてください。
圧倒的主流の教材
薬ゼミの「青本」
わかりやすくまとめられた参考書です。
「青問」がついていて、分野に応じた過去問や予想問題もできます。
薬学生の9割が使用しており、薬ゼミの授業も青本を使って進んでいきます。
青本のみを周回して対策している人も。
4万円ほどするので、メルカリで購入していたり、先輩のおさがりをもらう人もいます。
過去の青本を使うメリットは、先輩の板書メモが記載されていること!デメリットは最新のアップデートがされていないことです!
青本と併用される過去問演習教材
過去問演習としては、
回数別問題集(年度別に分かれた過去問)
領域別問題集(教科ごとに分かれ、分野別に順番にまとめられた過去問)
も選ばれます。
回数別と領域別のメリット・デメリット
回数別問題集
・本番を想定しやすい。
・すべての教科をまんべんなく触れ続けることができる。
・回数を制限することで量の調整ができる。
デメリット
・体系的に学ぶことができず、知識がつながるまで時間がかかる。
領域別問題集
・体系的に学ぶことができる。
・苦手分野だけ集中して演習できる。
デメリット
・7年分の過去問が収録されていて、全教科を1周するまでに時間がかかる。
「回数別」か、「領域別」か
結論、好みの違いで選ぶ人が多いです。
ただ、時間が無い中では、「領域別」を1から順番に全部を網羅しようとすると挫折する可能性が高いです(経験あり)。
あいつらは、小さく見えて、中身がたっぷり詰まってます。
青問も領域ごとに問題がまとまっているので、
青本で勉強したあとで、仕上げに「回数別」を自分ができる量を調整して使用している人が多かったです。
または、領域別で、奇数問題と偶数問題でわけで、奇数問題だけまず周回するという工夫をしている人も。
もし、時間が限られている場合は、
「領域別」は、模試で弱点分野を把握したあとピンポイントでの活用が良いかもしれません。
ココから買えるよ!
薬ゼミウェブストア
その他の教材
- 模試
- 授業の資料
- 薬ゼミの要点集
- 薬ゼミの必須対策問題集
- くるみぱんの薬学×付箋ノート
- e-RECの過去問演習サイト
- アプリ(「薬剤師国家試験」と調べると複数出てきます。)
- ゴロ集
・・・・
電車移動やトイレのちょっとした隙間時間は、アプリやサイトでの過去問演習や、1問1答がおすすめです!
先輩から模試を譲ってもらい、徹底的に模試の演習をしている人もいました。
勉強方法

分厚い参考書をどのように攻略していくかも重要です。それぞれを単独でやるよりは、複合的に組み合わせて勉強している人ばかりでした。
青本を軸とした勉強方法
青本で理論を理解 → 青問で問題演習
が王道パターン
たとえば、
1周目:青本を読みながら青問を解く
2周目:間違えた問題を集中的に復習
3周目以降:苦手分野の重点的な対策
青問じゃなく、回数別や領域別を問題演習として使っている人もいます。
青本はじっくり丁寧に読み込むのではなく、
「問題を解きながら、分からないところを辞書として使用するイメージ」を持った方が良いです。
すみずみまで覚えるなんて、時間がいくらあっても足りません!!
とにかく全部音読して受かった猛者もいました。
過去問を軸とした勉強方法
ここでは、回数別・領域別を過去問と表現しています。
1周目:全問解いて傾向把握
2周目:間違った問題の演習
3周目以降:問題のポイントや周辺知識も意識しながら演習
でもやっぱり、青本で知識の確認している人が多いです。
解けなかった問題のみを周回していると、解けた問題が解けなくなっていることもあるため、最後に全体をもう一度やってみる人も。
問題演習で注意すべきポイント
アウトプットで問題演習をする際に言われたポイントはこちらです。
- はじめは、歯が立たないため、解けない問題はさくさく答えを見てしまう
- できた〇、怪しい△、間違えた× など印を使い分ける
- 選択肢それぞれでどこが間違っているのかを訂正までできるようにする
- 優先すべきは正答率60%以上の問題
- 科目横断を意識する
- 周辺知識も一緒に勉強する
- 選択肢を理解して、出題ポイントを把握する
模試を活用した勉強方法
ほとんどの国試受験生が受験するのが、薬ゼミの全国統一模試。
全国統一模試の実施タイミングは、9月、11月、1月です。
合格者は、長い受験生活の中、「それぞれの模試で何点取れるか」を中間目標として立てることで、だれずに勉強しています。
また、模試は本番ではないので、問題が解けなくても意義のある時間にすることができます。
成績表を見て、正答率60%だけど自分は解けなかった問題は、特に要チェックです。
また、本番との違いもぜひ意識してみてください。
薬剤師国家試験 【模試】と【本番】の違い|私が驚いた“思わぬギャップ”とその対策
暗記に使われる手法
暗記するためにいろいろなやり方がありますよね!おすすめをご紹介します。
マインドマップ
マインドマップとは、情報を視覚的に整理する図解手法です。
薬剤師国家試験の勉強とマインドマップは相性が良いです。
太い幹で大枠を把握できて、細かい幹で詳しい知識を網羅できます。
アウトプットの際も、連想で思い出していくことができます。
私は、こちらのサイトのマインドマップを定期テストの際に活用させていただいていました。
マインドマップ薬学 さん
PDFでダウンロードできるようにしてくれているため、非常にありがたいです。
付箋式
付箋式は、重要ポイントや苦手ポイントを付箋にまとめる方法です。
自分で書くことや、何度も見ることで知識がつきやすくなります。
また、付箋を別でファイリングして、覚えた付箋ははがしていくことで、達成感を感じたり、周回しやすい自分だけの参考書を作れます。
時間がない人や、情報の取捨選択が苦手な人は避けるべき手法です。(経験あり)
ただし、そんな人たちも、
くるみぱんさんの「薬学×付箋ノートBOOK」やインスタを活用させてもらえば、付箋ノートのメリットを享受できます。
ゴロ
ゴロは、いわずもがな。
ゴロだけで対策するというよりは、ゴロをとっかかりに記憶を思い出す人が多いです。
活用しがちなゴロにも注意が必要です。
- ゴロから知識を思い出せるかどうか
- 試験中に問題の情報からゴロを思い出せるかどうか
- 正しい知識を思い出せるかどうか
- 間違ったゴロを作っていないかどうか
たとえば、薬理で、頭文字だけから作られたゴロだと、候補になってしまう薬名が多いですよね。
1問1答
覚えたい情報を一問一答で簡単に復習できるようにする方法です。
この際、自分さえわかれば良いので、時間をかけて丁寧に作成する必要はありません。
自分だけの問題集を作ることができます。
問題を作ることで知識も定着しやすくなります。
友人と問題を出し合いっこ
同級生と問題を出し合いっこすることで、自分が目をつけていなかった知識にも気づけます。
友人への責任も発生するので、より良い問題を出そうと考えます。
作成時、出題時、解答時で知識が刷り込まれます。
また、解答の説明の際に、他人に教えることで自分の理解が深まるそうです。
なにより思い出と知識が結びついて、エピソード記憶としても脳に刻まれます。
NGと言われている勉強方法

やめておいた方がいいと言われている方法もあります。
やりっぱなしはNG
授業の受けっぱなし、模試のやりっぱなし、過去問の解きっぱなしでは、知識が身に付きません。
当たり前のことではありますが、量に圧迫されている中だと、こなすことだけに頭が行きがちです。
復習の時間も計画的にもうけましょう。
じっくり丁寧にすみずみ青本を読み込むことはNG
1冊1冊が分厚いのに、小さな文字まで隅々覚えこもうとしても、時間がたりません。
抜粋された情報を確実に覚えることや、問題演習に力を入れる方が効率が良いです。
6-7割の得点で合格できることを頭の片隅に、完璧を手放すことも必要です。
まとめノートを作ることはNG
定期試験ではまとめノートを作っていた人もいるかと思いますが、
国試においては、やめろと言われることが多いです。
時間が足りないときにやることではありません。
覚えるために、頭を整理して、手を動かしたい気持ちも生まれてくると思いますが、
まとめノートが欲しいなら、要点集を活用するのも一つの手段です!
過去問を「何年分」、「何周」したか

過去問を何年分・何周やったかってやたらと気になりますよね。
ただし、これは本質ではないことにも注意が必要です。
過去問は何年分?
数字だけで見ると、
5-6年分 という声が多いです。
・・・が、1年も解けなかった人、3年を何周もして完璧にする人、10年分さくっとやる人もいました。
「〇年やりました!」という意見は背景が、かなりばらばらです。
問題演習を回数別のみでやっている人、
学校の卒試が完全に国試の過去問の人、
3年分だけと言っていても青問や授業で配布されるプリントを解いて過去問演習を蓄積させている人、
いろんな背景があります。
数字にとらわれすぎない方がいいのかなと思います。
とはいえ!目安として知っておくことも必要ですね。
必須は足切りもあるので、必須問題だけ10年分やるという手法も効果的です。
薬ゼミから必須対策問題集がでています。
過去問は何周?
だいたい3周以上 と言っている人が多いです。
ただし、上で述べたように、どういった勉強方法をとっているかで、回数と密度は大きく変わると思います。
1周の定義も人によって違うのが難しいところです。
青本中心で勉強して、直前期に過去問1周だけでも済む場合もあれば、
3周解いて結局全く解けなかったら、もっとやる必要があります。
到達地点は「当日に問題を解けるようになること」という観点は忘れないようにしたいです。
【目的】と【目標】の違いを知っていますか?勉強をブレずに進めるための“階層構造”と整理法
予備校の講習に課金するべきか

残された時間を活用するときに、予備校の講座を取るべきか迷いますよね。
自分に合った判断が必要です。
私の知り合いには、たまたま、予備校の講座を1回も受けたことが無い人はいませんでした。
大学で一切予備校の授業がない人は、いったん春季講座など受けてみるとよいと思います。
メリット
- 今までの経験からどこが出やすいかわかっている
- わかりやすい説明で、参考書を読むよりも理解しやすい
- 板書の視覚・説明の聴覚・ノートをとる触覚で記憶に残りやすい
デメリット
- 人によっては復習しないと身につかない
- 講座に出席することで安心してしまう
- 自習時間が減ってしまう
最近は、対面・配信と自分に合った講座を選べるようになっています。
対面では、人に見られているプレッシャーがあったり、先生に質問しやすかったりします。
配信では、自分の好きな状態で授業を受けることができたり、場合によっては倍速や停止、同じ説明を繰り返すなどが可能です。
私は、自分がもう一度国試を受験しないといけないとなったら、
絶対に2月に行われる薬ゼミの「やまかけ講座」は受講します。
どの教科をとるか参考になるかも
合格者に聞いた教科別の勉強指針
いつから始めればいいのか

何月から始めれば間に合うのか?
まだ勉強を始めていないときほど気になってしまうものです。
6年時の国試対策に関するスケジュールは大体こんな感じです。
4-6月
理想
- 基礎理論の確実な理解
- 基礎固め
- 青本1周目は終了
- 物化生に時間をかける
こんな学生もいるよ!
- 卒研やバイトに没頭
- 夏休みがまだある安心感
- 国試の勉強は後回し
7-9月(9月全国統一模試Ⅰ)
理想
- 体系的な問題演習
- 問題演習(青問・過去問)
- 薬理はだいたい覚えている
こんな学生もいるよ!
- 9月の全国模試で危機感を持ち始める
- 問題が全く解けないことにおびえて、青本を始める
10-12月(11月全国統一模試Ⅱ)
理想
- 弱点の集中克服
- 苦手分野克服
- 教材周回
こんな学生も結構いるよ!
- 模試の結果に焦るが、卒試や卒業発表もあってキャパオーバー
- 正直、物化生に全然時間がかけられない
- とりあえず予備校に課金
1-2月(1月全国統一模試Ⅲ)
理想
- 実戦力の完成
- 総仕上げ
こんな学生も結構いるよ!
- 正直、時間が足りない状態で試験を迎える
- 何教科か青本1周できなかった
- 必須対策が非常に不安
結論
早ければ早いほど良い。
いつから始めても、対策が終わることはありません。
ただし、はじめていないから不合格になるわけではありません。
何月であっても、気づいた「今」始めることが大切です。
特に現役生は最後に爆伸びします。
【現役生だけ】が持つ“最後の爆伸び”の理由 |薬剤師国家試験は現役受験が有利?
自己学習は1日に何時間やるべきか

大学側で用意している授業がある人もいるので、一概に数字に騙されていはいけません。
あくまで、例ですが、こういう人もいます。
4-6月 | 1-3時間/日(週末のみ) |
7-9月 | 3-5時間/日 |
10-12月 | 5-8時間/日 |
1-2月 | 8-12時間/日 |
これなら大丈夫!という時間も、これだとダメという時間も無い気がします。
結論
能力によって必要な時間は違いますが、やればやるだけ、「自分はこれだけやったんだ」という安心感が生まれます。
ただし、最初からブーストをかけすぎると、途中でガソリン不足になってしまいます。
量だけでなく、質の良い時間を過ごせるかも重要です!
やる気がでないのはただの“状態異常”!やる気が出ない本当の原因と対策
なんの教科からはじめればいいか

人によってさまざまでした。
物・化・生で基礎から固める派
直近になればなるほど物・化・生にかける時間が無くなるため、
4ー6月に基礎固めをしっかり終わらせると後が楽に!
基礎固めがうまくいっていると、土台がしっかりして、他の科目が勉強しやすくなります。
その後は、関連性の高い薬理・病態・薬剤、
ある程度独立している衛生・法規、
最後に実務の他の教科と重なっていない部分、
という流れをよく聞きました。
法規は、予備校の法規の先生ですら、最後の方にやってもグーンと伸びると言っていました。
実務は、かなり全教科の知識が統合されていたり、実習で学んだことがかなり役立つ教科です。
物化生は難しくて差が付きにくい教科でもあるので、こだわって時間をかけすぎないことにも注意が必要です。
【薬理】が全然覚えられない…そんな私が【苦手な薬理】を得点源に変えた方法
教科というよりは、必須対策から始める派
まずは、必須問題をとにかく解いて勉強するやり方もあります。
必須は足切りもあるので、おろそかにすると痛い目を見ます。
必須問題は、比較的簡単な問題なので、モチベーションも保ちやすいです。
また、すべての範囲をまんべんなく勉強できるメリットがあります。
「青本、終わる気がしない…」と感じたあなたへ。突破のカギは【全体像】を掴むこと。
まずはやりたい教科からやってみる派
まずは勉強を継続することが大切なので、自分がやりたいものをやるという観点も重要です。
まずはとにかく薬理を覚えちゃうという力業をしている友人もいました。
教科ごとに勉強していたとしても、他の教科の知識が必要になってきたり、無意識のうちに横断的に勉強することになる気がします。
まとめ
私が実際に知っている合格パターンは、
- 早くから勉強を始めている
- 教材を絞っている
- 毎日継続することができている
- 時間が無くても効率的に進めている
- 完璧主義を手放している
こんな人々でした。
何を何回やるかにこだわりすぎず、コツコツと合格できる自分になるために進んでいきましょう。
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