「どうせムリ子」から「やればできる子」になる方法|自己効力感の高め方

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無理かもって思っちゃうよね

どうせ自分には無理かも

やっぱり自信がない

そんな気持ちの奥にあるのは、“自己効力感”の低さです。

自己肯定感はなんとなくわかるけど、自己効力感ってなんぞや?

私はそんな感じでしたが、知ってみると、

自己効力感こそ、国試を戦い抜くために必要な力だと実感しました。

自己肯定感ってこと?

自己効力感とは、「自分が特定の課題や困難な状況に対処できる」という感覚のことです。

経験や環境によって育てることができる、後天的な「力の土台」となります。

よく耳にする自己肯定感と、似て非なるものです。

自己効力感特定の課題や状況に対して「達成する能力がある」という感覚。

具体的なスキルや経験に基づく。
自己肯定感自分の存在そのものを価値あるものとして受け入れる感覚。

成果や能力に関係ない。

具体的な課題に対しての感覚ということが、重要です。

自己効力感が高い人は、困難に直面しても諦めずに取り組み、より良い成果を上げる傾向があります。

自己効力感の4つの要素

自己効力感が培われる要素は、大きく4つあるとされています。

遂行体験(成功体験)

最も強力な自己効力感の源は、成功体験をすることです

困難な課題を自力で乗り越えた経験は、「自分にはできる」という確信を深めます。

小さな課題でも、積み重ねることで大きな自信となります。

重要なのは、成功体験を意識的に認識することです。

代理的体験(他者の観察)

自分と似た状況の人が成功している姿を見ることでも、

自分にもできるかもしれない

という期待が生まれます。

この効果は、対象となる人が自分により近い特徴を持っている場合に強くなります。

近いからこそ苦しくなってしまうときはこちら
なんで「他人の成功」って「自分の失敗」みたいに感じちゃうんだろうね。

言語的説得(周囲からの励まし)

実際の能力に対して、周囲の人からの、

あなたならできる

という言葉も、自己効力感を形成します。

自分自身への言葉も重要で、否定的な言葉を、肯定的で現実的な言葉に変えていく練習が効果的です。

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情動的・生理的喚起

不安や緊張、疲労は、自己効力感に影響を与えます。

リラックスした状態や、適度な緊張状態の時に課題に取り組むと、高いパフォーマンスを発揮しやすくなります。

ストレス管理、適切な睡眠、運動、瞑想などを通じて心身の状態を整えることが、自己効力感の向上につながります。

変化に強くなる術は自己効力感も高めます。
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自己効力感をチェックしてみる?

自己効力感を測るセルフエフィカシー尺度は様々ありますが、よく目にするものはこちらです。

問いに対してYESでもNOでも、どちらが正しいということはありません。

ー行動の積極性ー
1.何か仕事をするときは、自信を持ってやるほうである。
2.何かを決めるとき、迷わずに決定するほうである。
3.結果の見通しがつかない仕事でも、積極的にとりくんでゆくほうだと思う。
4.どんなことでも積極的に、こなすほうである。
5.ひっこみじあんなほうだと思う。
6.人と比べて心配性なほうである。
7.積極的に活動するのは、苦手なほうである。

ー失敗に対する不安ー
8.過去に犯した失敗や嫌な経験を思いだして、暗い気持ちになることがよくある。
9.仕事を終えた後、失敗したと感じることのほうが多い。
10.何かをするとき、うまくゆかないのではないかと不安になることが多い。
11.どうやったらよいか決心がつかずに仕事にとりかかれないことがよくある。
12.小さな失敗でも人よりずっと気にするほうである。

ー能力の社会的位置づけー
13.友人より優れた能力がある。
14.人より記憶力がよいほうである。
15.友人よりも特に優れた知識を持っている分野がある。
16.世の中に貢献できる力があると思う。


坂野雄二 (1986), 一般性セルフ・エフィカシー尺度作成の試み, 行動療法研究, 12(1), 73-82.
セルフ・エフィカシーの臨床心理学 坂野雄二・前田基成著

1~4・13~16:YESを1点
5~12:NOを1点

としたときに、
8点以下→自己効力感が低い、という一つの目安になるそうです。

自己効力感は後天的なものなので、上げていくことが可能です。

次に国試に着目した、自己効力感の上げ方をご紹介します!

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自己効力感を上げるにはどうすればいいの?

自己効力感を高めるもっとも効果的な方法は、成功体験です。

といっても、特別なことを成し遂げる必要はありません。

やろうと思ってできたことの蓄積が、自分への信頼を少しずつ取り戻してくれます。

小さな目標を立てる

大きな目標を小さなステップに分解することが重要です。

例:「青本を1周する」→「用量と作用の単元をやる」

完璧主義にならず、80%の達成でも十分価値があります!

また、目標と目的のすり替わりが起きないように注意が必要です。

目標と目的の違いがいまひとつの方はこちら 
【目的】と【目標】の違いを知っていますか?勉強をブレずに進めるための“階層構造”と整理法

行動のハードルを極限まで下げる

「これだけならやれる」ものをやればクリアにします。

つまり、「机に座った」でもOKです。

・タスクの中で、一番小さなものを完了する
・正答率が高い問題だけやる
・問題文を1問だけ読む
 ・・・

気分がのればそのまま続ける、のらなければ終わらせる。
結果的に5分のつもりが30分…と集中につながっていく場合もあります。

1問やったら結局100問やらないといけないしなあ

という意識になると結局腰が重くなるので、本当に終わりにしましょう。

そして、行動できた自分をしっかり認めましょう!

成果を可視化

“進捗”を可視化することで、自己効力感が上がります。

・携帯アプリで記録する
・スケジュール帳に計画を書くのではなく、やったことを書いていく
・量にかかわらず1秒でも勉強できた日に丸をつける
・できない問題に印をつけるのではなく、できた問題に印をつける。

私は、日付と教科の表を作って、1問でも1文でも、目を通せた教科のマスに色を塗っていました

片づいた空間で勉強

片づいた机に座ると「自分は準備できている」という感覚が強まり、自己効力感を高める手助けができます。

また、整理された環境では、視覚情報の負荷が下がり、脳が無駄な処理をしなくて済みます。

部屋を片す時間ももったいないときは、自習室やカフェ、コワーキングスペースなどを活用しましょう。

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他者の頑張りを“自分ごと”として受け取る

自分に似た立場の人が頑張る姿を見ると、

自分もできるかも

と感じやすくなります。

ただ見習うのではなく、「私も一緒にがんばろう」と、感情をリンクさせることがカギです。

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自分の感情にラベルをつけてみる

不安や緊張、焦りといった感情に飲み込まれると、

やっぱり無理だ

と感じやすくなります。そんなときは、

今、自分は何を感じているのか?

を言葉にしてみましょう。

例:「今、不安を感じているけど、それは“初めての挑戦だから”だな」

言語化は、感情の整理と自己理解の第一歩です。

自分の心と距離を取ることができると、冷静さが戻り、「乗り越えられるかもしれない」と思えるようになります。

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振り返りを習慣化する

週に一度、自分の行動と結果を振り返り、何がうまくいったか、何を改善できるかを認識しましょう。

なにもできなかった日も、「今日は休息を選んだ」という必要な行動をしています。

自分を主語にした視点を持つことが、他者評価からの解放につながり、自己効力感を育ててくれます。

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とはいえ、自己効力感を育てるのが難しいよね

自己効力感を上げようとするからこそ、困難や挫折に遭遇します。

これらをどう乗り越えるかが、長期的な成長の鍵となります。

視点の転換

失敗を「学習の機会」として捉え直します。

何がうまくいかなかったかを分析し、次回の改善点を見つけ出すことで、失敗も成長の一部となります。

そして、能力は固定的ではなく、努力と学習によって向上できるという認識を持ちましょう。

「もうできない」ではなく「まだできないだけ」という視点で物事を捉えることも必要です。

周囲の人を巻き込む

家族、友人、予備校などのサポートを積極的に取り入れましょう。

一人で抱え込まず、周囲のリソースを活用することが重要です。

セルフコンパッション

当たり前で難しいことですが、自分を大切にしましょう。

自分に対して厳しくしすぎず、失敗や困難を人間的な経験として受け入れます。

自分を責めるのではなく、優しく励ます内的な声を育てることが大切です。

他者への貢献

今の時点でも十分に能力があります。

自分のスキルや経験を誰かに共有することで、自分の能力を再確認し、さらなる自己効力感の向上につなげます。

まとめ

急に「自信を持て」と言われても、そんなこと難しいですよね。

でも、「ちょっとやれてたかも」と気づくことは、誰にでもできる一歩かもしれません。

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